電通は6月12日、戦略的IR支援プログラム「IR for Growth」の一環として、個人投資家向けのIRマーケティングサービス「IR-BRANDING 360°」の提供を開始したと発表した。ペルソナ分析を起点に、投資ジャーニーの設計からコミュニケーションの実行までを一貫して支援する。

  • 「IR-BRANDING 360°」イメージ

    「IR-BRANDING 360°」イメージ

サービスの背景

同社は2025年1月、個人資産で株式購入などを行う個人投資家を対象に「個人投資家ジャーニー調査」を実施。調査では、27.0%が新NISA制度をきっかけに個別株投資を始めた「新NISAエントリー型」で、最も多い割合を占めた。

近年、IR部門においては個人投資家向け施策の重要性が増しており、戦略策定にマーケティング視点を取り入れるために外部パートナーを求める傾向が強まっているという。

調査では、個人投資家の属性別に、銘柄認知から投資に至る各段階の情報源や投資タイミング、意思決定の要因などを明らかにした。さらに、同社が保有する大規模マーケティングデータ基盤「People Driven DMP」と調査結果を連携させることで、従来のIR設計では捉えきれなかったペルソナ描写を可能にし、戦略的なIRマーケティング設計を実現したという。

このペルソナには、年齢、性別、職業、ライフスタイル、生活意識、趣味嗜好、価値観に加え、ウェブ検索やメディア視聴などの情報取得傾向も反映されており、投資実行に至るまでの「投資ジャーニー」に沿ったIRストーリーの設計が可能になる点が、「IR-BRANDING 360°」の大きな特徴だとしている。

  • 「投資ジャーニー」分析レポート(イメージ)

    「投資ジャーニー」分析レポート(イメージ)

サービスの概要

同サービスでは、個人投資家の視点に立ち、企業のパーパスや事業内容、特徴的な施策を整理・活用したIRストーリーを構築。統合報告書やオウンドメディア、株主総会などのIRコンテンツを一貫して設計し、投資ジャーニーに沿った施策を実行するサービス体系として提供される。

電通は今後も「IR-BRANDING 360°」の提供を通じて、上場企業のIRマーケティング活動を支援し、IR課題の解決と企業価値の向上に貢献していくとしている。