2025年第1四半期の市場規模は前四半期比5.4%減の364億ドル

TrendForceによると、季節的閑散期にあたる2025年第1四半期(1~3月)の半導体ファウンドリ大手10社の売上合計額は前四半期比5.4%減の364億ドルとなったという。

TrendForceでは、米国の相互関税に対する駆け込み需要と中国の消費者向け補助金制度の継続がプラスに働いたものの、季節的な低迷のすべてをカバーするまでには至らなかったとの見方を示す。

第2四半期については、関税引き上げの影響が薄れることから全体的には減速の方向に向かうとの見方を示す。しかし、中国の補助金政策による継続的な需要の押し上げに加え、新型スマートフォン(スマホ)の発売に向けた在庫の積み増し、AI関連需要の高止まりが稼働率を押し上げるため、トップ10各社の売上高は回復傾向に向かうと予測されるとする。

  • 2025年第1四半期のファウンドリ売上高ランキングトップ10

    2025年第1四半期のファウンドリ売上高ランキングトップ10(Samsungはファウンドリの売上高のみ計上、PSMCはメモリとロジックファンドリ売上高のみ計上、HuaHongは傘下のHHGrace/HLMCの売上高を含む) (出所:TrendForce)

減収もシェアを拡大させたTSMC

トップはTSMCで、AI関連需要とテレビ関連の関税回避に伴う需要増があった一方、スマホ関連の出荷量が減少した結果、売上高は同5%減の255億1700万ドルとした。しかし、市場シェアは他社も売り上げを落とした結果、前四半期比0.5ポイント同の67.6%と拡大させている。

2位はSamsung Foundryで、中国の補助金政策による恩恵が限定的で、米国の先端プロセスに対する規制の影響などもあり売上高は同11.3%減の28億9000万ドルと下げた。

3位は中SMICで、米国の関税政策と中国の補助金政策に対応する形で早期の在庫確保による平均販売価格(ASP)の下落を相殺した結果、売上高は同1.8%増の22億5000万ドルと成長を達成した。

4位はUMCで、顧客の早期調達の動きからウェハ出荷量と稼働率は安定していたものの、価格調整の影響からASPが下落した結果、売上高は同5.8%減の17億6000万ドルとしている。

5位はGlobalFoundries(GF)で、中国政府の補助金政策の恩恵が少なく、季節的な低迷もあり、ウェハ出荷量、ASPともに下落した結果、売上高は同13.9%減の15億8000万ドルとしている。

6位はHuaHong(華鴻)グループで、傘下のHHGraceの生産能力拡充による新規受注の獲得が進んだ一方、同じく傘下のHLMCとその他子会社の合併影響などから売上高は同3%減の10億1100万ドルとしている。

7位は、Vanguard International Semiconductor(VIS)が稼働率を上昇させた結果、売上高を同1.7%増の3億6300万ドルと伸ばすことに成功し、前四半期の8位からランクアップを果たした。代わって前四半期7位だったTowerは、季節的な低迷などの影響から、売上高を同7.4%減の3憶5800万ドルとし、順位も8位に後退させた。

9位はNexchipで、関税政策や補助金政策による受注増に伴って同2.6%増の3億5300万ドルと伸ばした。10位のPowerchip Semiconductor Manufacturing(PSMC)は中国の補助金政策の恩恵があったものの、メモリファウンドリの需要低迷があり、売上高は同1.8%減の3億2700万ドルと低迷した。